
日射遮蔽と断熱は何が違う?省エネ住宅を快適にする2つの技術を解説|夏と冬の性能の鍵はここにあり
✅ 省エネ住宅の快適さは“遮る”と“保つ”の両輪から
省エネ住宅と聞くと「断熱」が最初に思い浮かぶ方も多いかもしれませんが、実は「日射遮蔽(にっしゃしゃへい)」も同じくらい重要な役割を担っています。
この2つは似ているようで、まったく別の働きをしているのです。
✅ 日射遮蔽とは?〜夏の熱を“入れない”技術〜
「日射遮蔽」とは、太陽からの熱エネルギーが室内に入ってくるのを防ぐこと。特に夏場の強い日差しに対しては、非常に効果的です。
代表的な日射遮蔽の方法:
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遮熱Low-Eガラス(複層ガラス)
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アウターシェードや外付けブラインド
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庇(ひさし)やバルコニーの設計的工夫
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落葉樹などの植栽でつくる夏の陰
→ ポイント:日差しを“外で”遮ることが重要!室内のカーテンだけでは不十分です。
✅ 断熱とは?〜外の暑さ・寒さを“伝えない”技術〜
一方、「断熱」は外気の熱を室内に伝えないようにする技術です。建物の屋根、外壁、床、そして窓まわりまで、家全体で行うのが基本です。
断熱の主な工法:
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高性能断熱材(グラスウール、フェノールフォームなど)
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高気密施工(隙間をつくらない)
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複層ガラスや樹脂サッシ
→ ポイント:断熱は冬の暖房効率アップにも貢献。省エネと快適性のベースになる性能です。
✅ 夏 vs 冬で異なる役割
| 季節 | 日射遮蔽 | 断熱 |
|---|---|---|
| 夏 | ◎(直射日光をカット) | ○(熱の侵入を緩やかに) |
| 冬 | △(遮蔽しすぎると暖かさも遮る) | ◎(室内の熱を逃がさない) |
✅ 両者の組み合わせで“年中快適”を実現
真の省エネ住宅では「日射遮蔽+断熱」のセットが基本です。例えば、南側の窓は冬の陽射しを取り込むために庇の長さを調整し、夏は庇で日差しを遮る、といった設計の工夫も必要です。
✅ 「遮熱ガラス=断熱ガラス」ではない!?
ガラスの性能についても注意が必要です。
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遮熱タイプのLow-Eガラス → 夏に強いが、冬はやや寒く感じることも
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断熱タイプのLow-Eガラス → 冬に強いが、夏は日射を通しやすい傾向
ご家族の生活スタイルや地域の気候に合わせて選ぶのがベストです。
✅ 熊本・宮崎・福岡の気候では…
3県は夏の厳しい暑さが共通の悩み。西日対策とともに、日射遮蔽性能の高いガラスや設計が重要になります。ただし冬は地域差があるため、断熱性能とのバランス設計がポイントです。
✅ ハウススタイルのご提案
私たちは、これらの両立を意識したプランを標準仕様でご提案。外観のデザイン性を損なうことなく、快適性と省エネ性を両立させた家づくりをサポートしています。
まとめ
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「日射遮蔽」は夏の直射日光から室内を守る技術
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「断熱」は年間を通じて外気の影響を減らす基盤性能
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両者をバランス良く組み合わせることで、快適で光熱費も抑えられる家が完成
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窓や設計の選び方で、夏の暑さも冬の寒さもコントロールできます。
